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2025.10.17

【コラム】店舗運営に欠かせない「運転資金」とは?



「開業資金は用意したけれど、その後のお金の動きを考えていなかった…」
実際に店舗を開業すると、毎月の家賃や仕入れ、水道光熱費などが必ず発生します。
売上が安定するまでの間、この”つなぎ”となるのが運転資金です。
運転資金をどれくらい用意しておくかによって、経営の安心感が大きく変わります。
今回は飲食店を例に、運転資金について解説します。

運転資金とは?
運転資金は、店舗を日々運営していくために必要となるお金のことです。
飲食店を開業すると、家賃や光熱費、食材の仕入れといった支出は売上の有無にかかわらず必ず発生します。
しかし、オープンしてすぐにお客様が安定して来てくれるとは限りません。
多くの場合は宣伝や口コミが広がるまでに時間がかかり、売上は月によって大きく変動します。

そうした「売上が伸びるまでの期間」を支えるのが運転資金です。
この運転資金を十分準備しておくかどうかで、経営の安定度や心の余裕が大きく変わってきます。
そのため、開業計画を立てる際には「開業資金」だけでなく「運転資金」を考えることが欠かせません

飲食店で必要になる主な運転資金の項目
15坪のカフェを例として、具体的な運転資金の項目を挙げてみます。

1.家賃
家賃は売上に関係なく、毎月発生する固定費です。
例:10〜15万円/月

2.材料費(仕入れ)
食材やドリンクの仕入れなど。売上の30〜40%程度が目安です。
例:売上目標60万円なら → 目安:18〜24万円/月

3.水道光熱費
厨房設備や空調の使用で高額になりやすい部分です。季節によっても変動します。
例:5〜7万円/月

4.広告宣伝費
オープン時のチラシやSNS広告など。 SNSをうまく活用すれば費用を抑えることもできます。
例:2〜3万円/月

5.雑費・消耗品費
洗剤、紙ナプキン、レジ袋など店舗運営に必要な消耗品の購入費です。
例:1〜2万円/月

6.生活費(店主本人分)
店舗の売上で生活をしていく場合には、生活費も考えておく必要があります。
例:15〜20万円/月

これらを合計すると、約60万円前後が目安となります。

どれくらい準備しておくと安心?
運転資金は、「3ヶ月〜6ヶ月分」を目安に準備しておくと安心です。
特に飲食店は仕入れや光熱費といった変動費が多く、家賃のように必ず発生する固定費もあるため、資金が不足すると経営に行き詰まってしまいます。

先ほどの例の場合、毎月の運営費が60万円前後かかると想定されるので、3ヶ月〜6ヶ月分の運転資金は180万円〜360万円程度となります。
こうした資金をあらかじめ確保しておけば、売上が軌道に乗るまでの間も落ち着いて経営を続けることができます。

運転資金を確保する工夫
運転資金を準備するためのポイントをいくつかご紹介します。

1.融資を受ける際に運転資金を含める
まず開業融資を受ける際には、物件取得・内装工事の費用だけでなく、運転資金分も含めて計画的に借入額を設定することが大切です。


2.入出金のタイミングを意識する
開業後は日々のキャッシュフローに注意を払い、仕入れの支払いと売上入金のタイミングを意識して管理すると資金繰りがしやすくなります。

3.初期投資を抑える
開業当初は内装や設備に多額の資金を投じたくなりますが、必要以上の初期投資を抑え、その分を運転資金に回すことも有効です。

まとめ
飲食店は「開業当初の売上が予測しづらい」「固定費が大きい」という特徴があります。
だからこそ、運転資金を準備することは経営を続けるためにとても重要です。
開業の夢を実現するために運転資金を計画に組み込み、安心して店舗運営をスタートさせましょう。